たなぼた

一点を凝視する力

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昔の画学生は一本一本の毛を描くことから始めた 
孔雀でも羽根を描けないと描いたとは言えないところがある 
一本一本 デリケートで複雑な模様のよってきたる生命力を描く 
孔雀などは摩訶不思議な模様だけれど 
そういう写生をしている間に時間をとるものだから 
略してしまうということがある 
はっきり言うと 現代の人間は 
3Kを嫌いあまりにどこか略して生活しているというところがあるから 
子規の綿密さ 繊細さは一方で教育論を見るようである 

(中略) 

写生ということは 天然を映すのであるから 
天然の趣味が変化しているだけそれだけ 
写生文写生画の趣味も変化しうる 

水上勉 仰臥と青空 



そうそうこの仏間で輪島塗の鳳凰の羽根が 
一本一本描かれている うんちくを聞いて 
この本を読んだのだった 
その一本一本という呪縛を超えるのに17年かかるとは思わずに 

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何も略してはおらず それがゆえに省略が効いている 
それは一点を凝視する力に他ならないのであるが 
あっちもこっちもそっちものぞいてみて 
やっぱり 私はここだと 
腑に落ちるのも人生だと 
線よりも面で生きたい 
面よりも私という塊 
塊よりもつながりの中に生かされたいと思う昨今 




by 11hiyo | 2017-08-18 20:03 | sora | Comments(0)